うの花のにおう垣根に
時鳥 早もきなきて
忍音もらす 夏は来ぬ
さみだれのそそぐ山田に
早乙女が 裳裾ぬらして
玉苗ううる 夏は来ぬ
橘のかおるのきばの
窓近く 蛍とびかい
おこたり諫むる 夏は来ぬ
棟ちる川べの宿の
門遠く 水鶏声して
夕月すずしき 夏は来ぬ
さつきやみ 蛍とびかい
水鶏鳴き 卯の花さきて
早苗うえわたす 夏は来ぬ
佐々木信綱
1896
うの花のにおう垣根に
時鳥 早もきなきて
忍音もらす 夏は来ぬ
さみだれのそそぐ山田に
早乙女が 裳裾ぬらして
玉苗ううる 夏は来ぬ
橘のかおるのきばの
窓近く 蛍とびかい
おこたり諫むる 夏は来ぬ
棟ちる川べの宿の
門遠く 水鶏声して
夕月すずしき 夏は来ぬ
さつきやみ 蛍とびかい
水鶏鳴き 卯の花さきて
早苗うえわたす 夏は来ぬ
佐々木信綱
1896