ゴンドラの唄

いのち短し恋せよ乙女

朱き唇褪せぬ間に

熱き血潮の冷えぬ間に

明日の月日のないものを

 

いのち短し恋せよ乙女

いざ手を取りてかの舟に

いざ燃ゆる頬を君が頬に

ここには誰も来ぬものを

 

いのち短し恋せよ乙女

黒髪の色褪せぬ間に

心の炎消えぬ間に

今日は再び来ぬものを

 

吉井勇

1915

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