うさを
あけたりしめたりしている
サバ
ふくらはぎ の なめらかな したたかな魚的に白い ふくらみ に
ミスプリント(ジャバと書いてある
何?
ジャワ科 ジャパン科)
のゆかたなど着せて
晴らす障子の うっすラ・イト
の
お宿のお蒲団 ぬくぬくと 悪気もなく
口をマさぐっては離れ うとう してる
鳩 だまれ
ずっとずっと吸っていたい
就職してるわけでもないのに
朝です、、、と目覚ましに叱られ
避難訓練みいたいなテレビのせわしなく
朝の汁が酸化する
お連れの おんな の かた は
と聞いてくれれば
わたしの妻です
と おんながてら に
かってらに
しとしとやかに
ところが
「その ガイ の 方 は」
と お宿 の おかみ は 尋ねる
「その 外部 の 方 は トーストは
めしあがれますか」 (差別用語を避けているみたいな様子 さすが京都)
納豆 と 言おうとして まちがえたの鴨
それとも時代が変わったの
時代がかわったおんなは みんな偏食視される
たべられますか めしますか めし/あがりますか
おかわり しますか? おかわり ありませんか?
おかわりした おんな かわった おん
この ひと おんな で ね
わたし も おんな で ね
でも わたし たち けっこん してます
え
けっこん
漢字を間違えて おかみは あわてて洗濯し始める
ぬるぬる と 真っ赤に
選択した 感じ では
なにがなんでも 血痕の疑いを洗い落として
おんな と おんな を
ふうふ(う)と(熱い汁を吹きながら)見なしたくない
たくない
らしい
なにしろ 観光地ですから と
そんな ささなこと を 言い訳にして
多和田葉子
「傘の死体とわたしの妻」所収
2006
「新婚旅行」は多和田葉子様の許可をいただいた上で掲載しております。
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多和田葉子ホームページ
http://yokotawada.de/?page_id=22