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詩集の美 「でらしね」

── 詩集の美を鑑賞する ──

詩集は読むだけでも、もちろん楽しいですが、もうひとつの楽しみは実際に詩集を手にとってその装丁を楽しむことにあると思います。

美しい装丁にパッケージされた詩集は、所有することの喜びを与えてくれます。

古今出版されてきた詩集の数々は素晴らしい装丁のものが多いですが、ここでは、私管理人自らが購入した詩集の中からお気に入りの品々を紹介していきたいと思います。

第一回は小林坩堝さんの「でらしね」です。

最初に手にとった印象は「カッコいい!」でした。

オレンジ色一色に統一されたカバーが鮮烈な印象を与えます。

挟み込んである解説も、カバーと同じ用紙で統一されています。

解説は瀬尾育生さんと久保隆さんです。

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オレンジのカバーを外すとこんな絵が。がらりと印象が違います。意外性があっていいですね。こちらが「本当の表紙」だそうです。

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2013年思潮社刊、定価2400円(税別)、装丁は斎藤種魚さんです。

斎藤さんは漫画家でもあり、「コシヒカリの見た夢」を出版されてらっしゃいます。

こちらもシュールな絵が薄緑色のモノトーンに統一されたカバーで美しいですね。

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「でらしね」とはフランス語で「根無し草」、転じて「故郷を喪失した人」を指します。

その名前に相応しく、デカダンスの雰囲気が濃厚な二十一篇の詩が収められています。幾つかは散文詩であり、小説を読んでいるかのようです。一般的な詩集より圧倒的に文字数が多いので満腹感もありますよ。

小林坩堝さんは1990年生まれ。この「でらしね」が第一詩集になります。

当サイトではこの「でらしね」から二篇の詩を掲載させていただいております。

是非読んで見てください!

沖へゆけと彼は云った

薔薇は咲いたら枯れるだけ

残念ながら、「でらしね」アマゾンでは品切れ状態のようです。購入の際は、直接思潮社ホームページで注文するほうが早いようですね。

思潮社ホームページはこちらをクリック