The Erotics Is a Measure Between

 after Lorde

 

Your body is not my pommel horse

nor my Olympic pool or diving board.

Your body is not my personal Internet

channel nor my timeline,

nor my warm Apollo spotlight.

Your body is not my award

gala. Your body is not my game—

preseason or playoffs.

Your body is not my political party

convention. Your body is not

my frontline or my war’s theatre.

Your body is not my time

trial. Your body is not my entrance

exam or naturalization interview.

I am a citizen of this skin—that

alone—and yours is not to be

passed nor won. What is done—

when we let our bodies sharpen

the graphite of each other’s bodies

—is not my test, not my solo

show. One day I’ll learn. I’ll prove

I know how to lie with you without

anticipating the scorecards of your eyes,

how I might merely abide—we two

unseated, equidistant from the wings

in a beating black box, all stage.

 

Kyle Dargan

From “Honest Engine

2015

 

エロティック 相手との距離を測るもの

 

ロードに倣いて

 

あなたの肉体は私の鞍馬ではない

私のオリンピックプールでもないし

飛び込み台でもない。

あなたの肉体は私のネットチャネルではないし、

私のタイムラインではない。

私の「アポロ」の暖かいスポットライトでもない。 *

あなたの肉体は私の祝祭の報いではない

あなたの肉体は私の試合 ─プレシーズンあるいはプレイオフの─ ではない

あなたの肉体は私の政党の大会ではない。

あなたの肉体は私の前線ではない。

あるいは私の戦争の劇場ではない。

あなたの肉体は私のタイムトライアルではない。

あなたの肉体は私の入学試験ではない。

あるいは移民審査ではない。

私はこの肌の市民である

─ただそれだけ─

そしてあなたは

通過することも

勝利することもない。

なされたこと ─

我々が自らの肉体を研ぎ澄ませる時

それぞれの肉体の黒いチョーク

─それは私の試験ではない。

また私のソロのショーでもない。

いつの日か

私は学ぶだろう。

私は証明するだろう

私があなたを欺くすべを知ったことを。

あなたの瞳の値踏みを見越すことなく。

私はただじっと待つ

─我々二人

落馬して、

翼から等しい距離で

全てのステージで

ブラックボックスを叩きながら

 

* 訳注 アポロはニューヨークハーレムにある劇場

5 comments on “The Erotics Is a Measure Between

  1. This poem is used under author’s permission.

    そろそろ、Translation Trialの第2弾として、海外詩の翻訳にチャレンジしていきたいと思っています。

    こちらはKyle Darganさんの「The Erotics is a Measure Beween」です。

    KyleさんのTwitter Account @Free_KGD
    ホームページ  http://www.american-boi.com/

    これは、Audre Lordeさんの Uses of the Erotic: The erotic as Power「性愛の効用、力としてのエロティック」というショートエッセイに触発されて作られた作品とのことです。

    ショートエッセイはこちら
    http://www.english.illinois.edu/maps/poets/g_l/lorde/erotic.htm

    タイトルから予測されるような色っぽい詩ではなく、かなり哲学的な臭いのする作品です。
    ・・ではない、という言葉を連ねることで、Eroticを定義しようとしている詩です。

    下記が私の試訳です。
    あくまで試訳です。これからUpdateをかけていきます。もし、より良い訳があれば是非コメント欄に書き込んでみてくださいね!

    エロティック 相手との距離を測るもの

    ロードに倣いて

    あなたの肉体は私の鞍馬ではない
    私のオリンピックプールでもないし飛び込み台でもない。
    あなたの肉体は私のパーソナルインターネット
    チャネルではないし、私のタイムラインではない。
    私のあたたかいアポロスポットライトでもない。
    あなたの肉体は私の祝祭の報いではない
    あなたの肉体は私の試合 ─プレシーズンあるいはプレイオフの─ ではない
    あなたの肉体は私の政党の大会ではない。
    あなたの肉体は私の前線、あるいは私の戦争の劇場ではない。
    あなたの肉体は私のタイム
    トライアルではない。あなたの肉体は私の入学試験、あるいは移民審査ではない。
    私はこの皮膚の市民である ─ただ
    それだけ─そしてあなたのものは
    通過することを許されていない。勝利することも。なされたこと ─
    我々が自らの肉体を研ぎ澄ませる時
    それぞれがお互いの肉体にとっての黒墨となる時─
    それは私の試験ではない。また私のソロの
    ショーでもない。いつの日か、私は学ぶだろう、私は証明するだろう
    私があなたを欺くことを知ったことを。
    あなたの瞳の値踏みを見越すことなく。
    私はただじっと待つ─我々二人
    落馬して、翼から等しい距離で
    全てのステージでブラックボックスを叩きながら。

  2. 少しUpdateをしました。

    warm Apollo spotlightの意味がどうしても分からなかったのでKyleさんに確認したところ、
    ニューヨークのハーレムにある劇場の名前だそうです。

    訳に上記を反映させたほか、改行も日本語として分かりやすいように、工夫してみました。
    そのため、原典からはずれている所もあります。

    Apollo Theater(Wiki)
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%BC

    ロードに倣いて

    あなたの肉体は私の鞍馬ではない
    私のオリンピックプールでもないし
    飛び込み台でもない。
    あなたの肉体は私のネットチャネルではないし、
    私のタイムラインではない。
    私の「アポロ」の暖かいスポットライトでもない。
    あなたの肉体は私の祝祭の報いではない
    あなたの肉体は私の試合 ─プレシーズンあるいはプレイオフの─ ではない
    あなたの肉体は私の政党の大会ではない。
    あなたの肉体は私の前線ではない。
    あるいは私の戦争の劇場ではない。
    あなたの肉体は私のタイムトライアルではない。
    あなたの肉体は私の入学試験ではない。
    あるいは移民審査ではない。
    私はこの肌の市民である
    ─ただそれだけ─
    そしてあなたは
    通過することも
    勝利することもない。
    なされたこと ─
    我々が自らの肉体を研ぎ澄ませる時
    それぞれの肉体の黒いチョーク
    ─それは私の試験ではない。
    また私のソロのショーでもない。
    いつの日か
    私は学ぶだろう。
    私は証明するだろう
    私があなたを欺くすべを知ったことを。
    あなたの瞳の値踏みを見越すことなく。
    私はただじっと待つ
    ─我々二人
    落馬して、
    翼から等しい距離で
    全てのステージで
    ブラックボックスを叩きながら。

  3. 関係の距離を測るエロス

    ロードを模して

    あなたの肉体を鞍馬にして、技を決めるわけでも、
    オリンピック用のプールのように泳ぐこともない。
    飛び込み台としても使えないわね。

    あなたの肉体をネットチャネルみたいにザッピングすることも、
    タイムラインのように眺めることもない。
    アポロ劇場のスポットライトのように
    熱く照らしてくれるわけでもない。

    あなたの肉体は私へのごほうびではないし、
    あなたの肉体は私の勝負場所ではない。
    ─シーズン中だろうとオフだろうとね。

    あなたの肉体は党の集会でもないし、
    闘いの最前線でもない。
    私にとっての激戦地となることもない。

    あなたの肉体は、時間を競う場ではなく、
    入学試験でもない。
    移民のための入国審査でもない。

    私はあなたの肌に住んでいる。

    ─ただそれだけ─

    そしてあなたの肉体は
    合格するためのものでも、
    勝ち取るためのものでもない。
    そこで行われたこと、
    つまり、互いの肉体を鉛筆のように
    尖らせる行為は、
    私を試すテストでもなく、ワンマンショーでもない。

    いつか私は学ぶでしょう。
    そして証明するでしょう。

    私は、あなたの目に浮かぶ採点ボードに
    気持をぐらつかせることなく
    嘘をつくこともできるのよ。

    もちろん、尊重すべきこともわかっています。

    私たち二人は、舞台袖から等間隔の場所におかれた
    プロンプターボックスのなか、
    上演中ずっと立っているの。

    セックスを思わせておいて、実は、舞台上で演じている役者=肉体と、
    プロンプターボックスのなかの私、ということなのかなと思ったのですが、
    どうでしょう。

    1. ながたさん、素晴らしい訳をありがとうございます!
      作者のKyleさんは男性なので、私は話者を男性と考えて訳しましたが、ながたさんの訳のように女性と仮定したほうがしっくり来る感じがします。

      Beating Black Boxの訳は私も悩みました。いくら調べても、それらしきものが見つからず・・・
      プロンプターボックスと解釈すれば、確かに全ての言葉が演劇関連でまとまってくるのでよいかもしれませんね!面白いです。

  4. 「その官能は二人の距離を測るもの」

    あなたの身体は私の鞍馬ではなく
    競技用プールでも飛び込み台でもない。
    あなたの身体は私のインターネットの
    チャンネルでもタイムラインでもなく、
    また私の暖かいアポロ劇場のスポットライトでもない。
    あなたの身体は私の祝賀パーティーでもない。
    あなたの身体は、スポーツの試合ではなく、
    ――練習試合でも決勝戦でもない。
    あなたの身体は私の政治的な党大会ではないし、
    あなたの身体は私の前線でも戦場でもない。
    あなたの身体は私のタイムトライアルではない。
    あなたの身体は私の入会試験ではないし、
    移民審査の面接でもない。

    私は、この肌のただひとりの孤独な市民だ。
    そして、あなたの市民権は許可されたことも勝ち取られたこともない。
    私たちがお互いの身体を、鋭く鉛筆のように尖らせあった時に済まされた何か――それは、私のテストではなく、私の一人芝居でもない。

    いつか私はできるようになるだろう。
    そして私は証明するだろう。
    どうやってあなたと横になればいいのか、
    あとどれくらい持ちこたえればいいのか、
    あなたの瞳のスコアカードを先読みしなくても、
    私にはわかるんだってことを。
    私たち二人は落っこちたのだ。
    暗闇で羽ばたく二つの翼から、おんなじ距離で、すべての場面で。

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