死の遊び

死と私は遊ぶ様になつた

青ざめつ息はづませつ伏しまろびつつ

死と日もすがら遊びくるふ

美しい天の下に

 

私のおもちやは肺臓だ

私が大事にして居ると

死がそれをとり上げた

なかなかかへしてくれない

 

やつとかへしてくれたが

すつかりさけてぼたぼたと血が滴る

憎らしい意地悪な死の仕業

 

それでもまだ死と私はあそぶ

私のおもちやを彼はまたとらうとする

憎らしいが仲よしの死が。

 

村山槐多

槐多の歌へる」所収

1919

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