味噌汁 朝は味噌汁をすゝるんだとよ くらいうちの門さきを過ぎる豆腐屋をよびとめて 朝はどの家でも味噌汁をすするんだとよ ──どの家でも 鍛冶屋のやうに火を閃めかして くらがりのなかで味噌汁をすゝるんだとよ 百田宗治 「何もない庭」所収 1926