たゞ一人

この本はごく少数者むきの書物である
ひょっとすると この少数者のうち
たゞ一人さえ まだ生れていないかもしれない
そう書いて フリードリヒ・ニーチェは
一九〇〇年に その姿を没した

沈みゆく夕陽にこたえて
樹にかくれた山の家の窓が
キラリと 光を放つこともあるのだ

杉山平一
ぜぴゅろす」所収
1977

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください