流星

マッチを擦っても
新年の雪みちには犬の影もない
ひと足ごとに
夜の音が消えてゆく
冷気を炎と感じられるほど
ひとを憎むことも
許すことも できなかった
せめて
てのひらで雪を受ければ
いつまでも溶けない冬が
ふたたび訪れることはない病室へ流れていった
それを流星と呼んでいらい
わたしの願いはどこにも届かない
それでも星は
清潔な包帯のように流れつづけた

峯澤典子
あのとき冬の子どもたち」所収
2017

One comment on “流星

  1. 「流星」は峯澤さんの許諾をいただいた上で掲載しております。
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    峯澤典子
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