陸橋

陸橋を渡つて行かう
黑くうづまく下水のやうに
もつれる軌道の高架をふんで
はるかな落日の部落へ出よう。
かしこを高く
天路を翔けさる鳥のやうに
ひとつの架橋を越えて跳躍しよう。

萩原朔太郎
蝶を夢む」所収
1923

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