華麗な夏のボタン

あまり世界が暗いので
キリコ硝子
のように街をあるく

Lanvin
Balensiaga
Chanel
Schiapalelli

緑の室で
いきなり黒いパラソルだか
白いピアノだかもしれない影
にぶつかる

黄色い曲線にまきこまれながら
固い音楽に削られていく
ぼく
そして
あの
悲劇的な卵型の空間

北園克衛
真昼のレモン」所収
1954

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