君は知つてゐるか

全力で働いて頭の疲れたあとで飯を食ふ喜びを

赤ん坊が乳を呑む時、涙ぐむやうに

冷たい飯を頬張ると

餘りのうまさに自ら笑ひが頬を崩し

眼に涙が浮ぶのを知つてゐるか

うまいものを食ふ喜びを知つてゐるか、

全身で働いたあとで飯を食ふ喜び

自分は心から感謝する。

 

千家元麿

自分は見た」所収

1918

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください