片道切符 私は切符を手にした 春だった 日付けは刻印され 改札はパチンと 心にまで深く穴をあけた もう戻れない ホームにベルが鳴りひびく 再び帰れぬと心にきめて その日 私の十八歳は出発した 杉山平一 「ぜぴゅろす」所収 1977