悲歌

大空まで
翅をいためた紋白蝶は舞って行くでしょう

妹は
雪柳の下に
立っています
あなたは
走ってくるでしょう

五月雨は
指の先で
雪柳をゆすっています

私は
白い着物で
この窓から
大空を見上げているのです
もう
美しい声で
話さないで下さい

吉行理恵
吉行理恵詩集」所収
1970

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください