書斎の午後 われはこの国の女を好まず。 読みさしの舶来の本の 手ざはりあらき紙の上に、 あやまちて零したる葡萄酒の なかなかに浸みてゆかぬかなしみ。 われはこの国の女を好まず。 石川啄木 「呼子と口笛」所収 1911