裸木

すっかり葉の落ちつくした
けやきの枝々の あちらがわが
はっきり視える
いままで視えなかった気づかなかった
いろいろのものが
そこに視える

わたし達の人生も
そうなのだろう
さまざまなもののつながりや
意味が
あきらかに視えてくるのも
きっと 人生の終りになってからなのだろう

大木実
「天の川」所収
1957

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