鉛の塀 言葉は 言葉に生まれてこなければよかった と 言葉で思っている そそりたつ鉛の塀に生まれたかった と思っている そして そのあとで 言葉でない溜息を一つする 川崎洋 「川崎洋詩集」所収 1968