つながれた象

立っているよりほかはないから
細い目で立っているのだ

見るよりほかはないから
隣りの象をさぐるのだ

空がかわけば鼻をゆさぶり
空がぬれれば鼻をゆさぶり
それが
生きることなのだと

吠えるよりほかはないから
遠く遠く吠えるのだ
そして
眠るよりほかはないから
死んだように眠るのだ

村上昭夫
動物哀歌」所収
1967

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