もうだめなんだ
お前は立ってしまったんだ
脳味噌の重みを
ずーんと受けて
立ってしまったんだ
もうだめなんだ
ごらん
お前は影をもってしまった
お前の手は
小さな疑いの石を
いつのまにか
固くにぎってしまった
そら歩いてごらん
あとはそいつを
太陽の方角へ
投げるだけだ
石は三〇年もすれば
おちてきて
お前の額を撃つだろう
そのときお前は
もういちど立つだろう
父がそうしたように
心の力で
山本太郎
「糾問者の惑いの唄」所収
1967
もうだめなんだ
お前は立ってしまったんだ
脳味噌の重みを
ずーんと受けて
立ってしまったんだ
もうだめなんだ
ごらん
お前は影をもってしまった
お前の手は
小さな疑いの石を
いつのまにか
固くにぎってしまった
そら歩いてごらん
あとはそいつを
太陽の方角へ
投げるだけだ
石は三〇年もすれば
おちてきて
お前の額を撃つだろう
そのときお前は
もういちど立つだろう
父がそうしたように
心の力で
山本太郎
「糾問者の惑いの唄」所収
1967