籾摺機の中に穀物を流し入れて、
動力のとどろきはげしくベルトの廻転する時
こまかくくだけたその外皮は
陽にキラキラときらめいて
微塵となって飛んでゆく
琥珀色のふきあげ
金の噴出
その美しさにはてしなく魅力を感じるが
私に深い関係があるように思える
或は私自身のようにも思える
何かしら最もよいもの
もしかしたら詩の重みだけを残して
あとはかるくかるく自然の奥へと消えてゆくのだ。
景色と云うものになってしまうのだ。
永瀬清子
「焔について」所収
1948
籾摺機の中に穀物を流し入れて、
動力のとどろきはげしくベルトの廻転する時
こまかくくだけたその外皮は
陽にキラキラときらめいて
微塵となって飛んでゆく
琥珀色のふきあげ
金の噴出
その美しさにはてしなく魅力を感じるが
私に深い関係があるように思える
或は私自身のようにも思える
何かしら最もよいもの
もしかしたら詩の重みだけを残して
あとはかるくかるく自然の奥へと消えてゆくのだ。
景色と云うものになってしまうのだ。
永瀬清子
「焔について」所収
1948