西瓜の詩 農家のまひるは ひつそりと 西瓜のるすばんだ 大かい奴がごろんと一つ 座敷のまんなかにころがつてゐる おい、泥棒がへえるぞ わたしが西瓜だつたら どうして噴出さずにゐられたらう 山村暮鳥 「雲」所収 1925