何故 生まれねばならなかったか。

子供が それを父に問うことをせず
ひとり耐えつづけている間
父は きびしく無視されるだろう。
そうして 父は
耐えねばならないだろう。

子供が 彼の生を引受けようと
決意するときも なお
父は やさしく避けられているだろう。
父は そうして
やさしさにも耐えねばならないだろう。

吉野弘
吉野弘詩集」所収
1999

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