きさらぎ

子供が野遊びからかえってきた
日が暮れて寒かったと言う
手や足に野焼の匂いがまだのこっている
枯草や芒や茨の燃える匂いがのこっている

さて僕は
夜ふけの机によりかかって
おもむろに自分の火を放つのだ
このこころに
このこころの枯草に

木下夕爾
「定本 木下夕爾詩集」所収
1966

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