秋の日の象皮色の滑らかな道を
ころころと生首などを(おまえの首だ)
ひきずりながら歩いているおまえの気持はどんな気持か
首がおまえを見ている(おまえの首だ)
ひきずられながら 皮肉な目で
おまえの生のひろがりを測っている
そのひろがりの彼方には どこまでも
秋の日の象皮色の滑らかな道
ただもう秋の日の象皮色の滑らかな道

渋沢孝輔
「漆あるいは水晶狂い」所収
1969

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