鴉猫

あら あの方がいない
村長さんの娘がいった
忘れていたからだわ
ふたりで肩をすぼめあった
暗い片隅に ギラギラ光るものが二つある
注意してみると
そこに鴉猫が一匹いて
いまにも襲いかかろうとしてみがまえている
あのかたよ
村長さんの娘が叫んだ

小松郁子
「鴉猫」所収
1979

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