イノセント

為るたびに
ぴったりくる
いいと思う

合うのか
合わせるようになったのか
良さも解って
むしろ素朴な格好で
おつかいに行くように
慣れてゆく
一線を超えることに

とりあえず死ぬわけじゃなし
冷静に見上げればこの雲もまた
四季のひとつ
七十五日なんてすぐ
直におさまる
ジキ と頷けば
いい人 から降りてしまえば
雲を躱して
かるがると
月は昇る
ちょっと明るくなる

価値観は相似だし
深呼吸したら元気もでて
しみじみ今夜も二人して
月の下 まるまると
無罪である

佐藤正子
人間関係」所収
1994

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください