小学館の図鑑NEO(ネオ) POCKET(ぽけっと)『鳥(とり)』(二〇一二)の、ページの下の部分に、一行で書かれた鳥についての情報の文章があるので、今回はそれを引用して、思ったことを書く
「春(はる)になると、鳥(とり)が繁殖(はんしょく)のために北(きた)へと旅立(たびだ)つのは、北方(ほっぽう)で食(た)べ物(もの)が多(おお)く発生(はっせい)するからです。」
多く発生するものはキノコで、キノコのようなフクロウがキノコを食べて中華料理の材料になる。北には白いシロフクロウがいて、とても丸かった、丸かった
「スズガモは貝(かい)をからごと飲(の)みこみます。からは胃(い)のなかで粉々(こなごな)にされ、はいせつされます。」
カモを見ると、ああ、あのカモの中で、貝殻は粉々になっているのだな、ということを思うことにする。サザエこなごなになる。カルシウムざらざらである、飛んでいる
「ミコアイサのオスは、顔(かお)のもようから、パンダガモの愛称(あいしょう)でよばれることがあります。」
白い部分が多いカモで、目のまわりが黒い、カモ科の鳥である。竹を、食べるのかもしれない。竹は貝殻のように粉々になるだろう。パンダは森で竹をバキッと折る
「鵜(う)飼(か)いは、ウに魚(さかな)を飲(の)みこませてとる漁(りょう)の方法(ほうほう)です。日本(にっぽん)ではウミウを使(つか)います。」
ウが飲み込んだ魚は缶詰の中身になって、金属の色で輝いて、店に暗く並んでいるだろう。店の看板や、缶詰のまわりには、〈新鮮な魚〉と書かれていて、水煮!水煮
「日本(にっぽん)のサギのなかまで、最(もっと)も小(ちい)さいのは、ヨシゴイです。」
アオサギはとても大きな動物であると思いながら、私は自分の上を飛んでいくバッサバッサのアオサギを見ていた。アオサギよりも人間よりも小さな指のような よしごい
「体(からだ)の大(おお)きな種(しゅ)をワシ、中型(ちゅうがた)以下(いか)をタカとよびますが、はっきりした区別(くべつ)はありません。」
イルカとシャチにあまり区別がないので、海岸でキノコを食べているウミウシのような生きものがバサバサ飛んだらシャチのようなタカだったりワシだったりする、みさご
「漢字(かんじ)で水鶏(すいけい)と書(か)いて、クイナと読(よ)みます。水辺(みずべ)にすむ鶏(にわとり)に似(に)た鳥(とり)、という意味(いみ)です。」
ヤンバルクイナがニワトリのようにたくさんいる風景が夢で、ヤンバルクイナの暗い顔が木に並んでいる版画。カラーの、着色された、版画で、めずらしい鳥の美術館
「ウミネコは、鳴(な)き声(ごえ)がネコに似(に)ていることから名(な)づけられました。」
ウミウシは鳴き声が牛に似ていたのかもしれないし、チョウザメは飛んでいた。チョウザメを見て、長いUFOであると思っていた。ミミズクはネコのような動物だった
「海(うみ)鳥(どり)の減少(げんしょう)は、漁(りょう)のあみにかかるものが多(おお)くいることも原因(げんいん)の1つといわれています。」
そのようにしてサメも減少している写真を見た記憶がある。鳥の肉も缶詰になって、私は缶詰が苦手で、缶詰が犬のように鳴くので、滑走する缶詰から逃げる私わたし
「ピジョンミルクは、全体(ぜんたい)の約(やく)74%が水分(すいぶん)です。ウシのミルク(牛乳(ぎゅうにゅう))は、約(やく)89%が水分(すいぶん)です。」
ハトはピジョンミルクを出してヒナを育てるのだ、という。ウミウシもナマコもドロドロになって、水分が牛乳よりも少ないのだろう。絵の具で海底に色を付けたのである
「フクロウ類(るい)の羽角(うかく)は、角(つの)や耳(みみ)ではありません。羽毛(うもう)です。」
ミミズクは鬼のような形相でネズミや地獄の人間を食べてしまうのだろうと思う。それから壁に貝殻を飾っていた。貝殻は虹の色にキラキラ光る熱帯の羽毛のような熱帯魚
「ブッポウソウのひなは貝(かい)がらや金属(きんぞく)を飲(の)みこみ、かたい甲虫(こうちゅう)を消化(しょうか)する助(たす)けにしています。」
めずらしい金属を飲み込むのかもしれなかった。テルルは貝殻のようなものである。甲虫も金属で、貝殻が羽で、壁に貼り付けて、壁を壁画にしてロココにしていた
「キツツキが木(き)にあけたあなは、小鳥(ことり)や小動物(しょうどうぶつ)が巣(す)あなとして利用(りよう)します。」
むささびは木の丸い穴から顔を出していた。穴は闇であった……むささびの顔の後ろに、闇が、広がっている。その穴はキツツキが彫刻したもので、リスの彫刻である
「カケスは鳴(な)きまねがうまく、ほかの鳥(とり)の声(こえ)だけでなく、救急車(きゅうきゅうしゃ)の音(おと)などもまねて鳴(な)きます。」
私が倒れた時、カケスの背中の上にいて、テーブルの上で名前や住所を紙に書いたり、話していたような記憶がある夜。カケスは乾いたゴジラのようなものだっただろうか
「トラツグミの気味(きみ)の悪(わる)い声(こえ)は、想像上(そうぞうじょう)の動物(どうぶつ)「ぬえ」の声(こえ)ではないか、といわれていました。」
わたしトラツグミの鳴き声を聞いた記憶がありますが、ヌエであるとは思わず、何であるのか全くわからないと思って眠っていた。ヨタカの声のようなものであると思った
「鳥(とり)の羽毛(うもう)には、ダニがついていることがあるので、さわったら手(て)洗(あら)いをしましょう。」
たくさんの小さな細かい虫が集まって宇宙を作るように鳥を作っているのであるのだな。羽毛はやがて腐ってバラバラになるだろうし、緑色になるだろうと思った
「フラミンゴミルクは、食道(しょくどう)の一部(いちぶ)である素(そ)のうから出(で)る、栄養(えいよう)ほうふな液体(えきたい)です。」
ハトがピジョンミルクを出すように、フラミンゴからはフラミンゴミルクが出るんだな。ドロドロな液体が多い地球なので演奏して歌ってしまうよ。なまこも歌うだろう
「シロハラウミワシのえものの90~95%が、魚(さかな)とウミヘビだったという研究(けんきゅう)があります。」
ウミヘビは、たくさん、いるんだな。私はウミヘビをあまり見たことがないような記憶がある。水族館でウミヘビがたくさん泳いでいると、水族館の屋根を破って鳥が来る!
小笠原鳥類
「夢と幻想と出鱈目の生物学評論集」所収
2015
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小笠原鳥類ブログ
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