少女

 かおをつぶされて死んだ少女に化粧してやると みょうに茫大な原っぱになってしまって おやたちもめがくらんでしまったのか ガランとつったったまま哭くのをやめてしまったのでそこだけつぼみのようにひらいたくちびるをのこして火をつけてみなといってやったのだ

岡安恒武
「湿原 岡安恒武詩集」所収
1971

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