現金

誰かが

女といふものは馬鹿であると言ひ振らしてゐたのである。

そんな馬鹿なことはないのである

ぼくは大反対である

諸手を挙げて反対である

居候なんかしてゐてもそればかりは大反対である

だから

女よ

だから女よ

こつそりこつちへ廻はつておいで

ぼくの女房になつてはくれまいか。

 

山之口貘

「思辨の苑」所収

1938

2 comments on “現金”

  1. 何と言うくだらぬ詩であることか。女の機嫌をとってヒモになりたいたけだろうが。

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  2. 山之口獏にしてはずいぶん浅はかに感じられる詩ですね。タイトルが「現金」なので、上手いことを言って女性を手に入れようとする男性の風刺なのかもしれませんが。

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