パンク

狂い坊主が歩いて行きます
うちわのような太鼓をたたき
荒々しく狂い坊主が歩いて行きます
けれどパンクしたバスはなおりません

トラックが通ります
白色の標識が目にしみます
馬があばれます
女学生が悲鳴をあげます
赤色の筆箱が転りおちます
けれどパンクしたバスはなおりません

着かざった女の人がかん高く笑います
女学生が歌をうたいます
ハイヒールをはいた人がつまづきます
男の人がキングの本をよんでいます
けれどパンクしたバスはなおりません

江島寛
「江島寛詩集」所収
1954

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください