うつくしいもの

わたしみづからのなかでもいい

わたしの外の せかいでも いい

どこにか「ほんとうに 美しいもの」はないのか

それが 敵であっても かまわない

及びがたくても よい

ただ 在るといふことが 分りさへすれば、

ああ、ひさしくも これを追ふにつかれた こころ

 

八木重吉

秋の瞳」所収

1925

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