われらは 都会の肢体を感じ
日毎安らかならず
而もなほ わたくしらは このところに生きる
海にのみ 怒涛を感ずるものは知らない
都会の人には水平に斜面を感じ
プラタアスの並木路に出でて黄昏れの空気を吸ひ
再び雑踏の中へ紛れ去る
かくて都会は一日を燃焼し 暁の薄明を待機する
・・・・わたくしは夜更けてなほ彼の鼓動を聴く
人々の不眠を聚めて彼も亦轆囀反側してゐる
牧田益男
「さわらびの歌」所収
1947
われらは 都会の肢体を感じ
日毎安らかならず
而もなほ わたくしらは このところに生きる
海にのみ 怒涛を感ずるものは知らない
都会の人には水平に斜面を感じ
プラタアスの並木路に出でて黄昏れの空気を吸ひ
再び雑踏の中へ紛れ去る
かくて都会は一日を燃焼し 暁の薄明を待機する
・・・・わたくしは夜更けてなほ彼の鼓動を聴く
人々の不眠を聚めて彼も亦轆囀反側してゐる
牧田益男
「さわらびの歌」所収
1947