再生

野菊があたりまへに咲いてゐる
原つぱだが牛もゐない
寝ころんでみる
風が少しあるので
野菊がふるへてゐる
背中が冷めたい
どくどくと地球の脈がする
嘘のないお陽さまが
僕を溶かしてしまひさうだ
なにもかもが僕の心をきいてゐる
野菊は咲いてゐるし
ここにこのまま埋まつてしまひ
来年の野菊には
僕がひいらいたひらいた

淵上毛錢
1950

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