君はいつも無口のつぐみどり
わかきそなたはつぐみどり
われひとりのみに
もの思はせて
いまごろはやすみいりしか
夜夜冷えまさり啼くむしは
わが身のあたり水を噴く
ああ その水さへも凍りて
ふたつに割れし石の音
あをあをと磧のあなたに起る
幾日逢はぬかしらねど
なんといふ恋ひしさぞ
室生犀星
「抒情小曲集」所収
1918
君はいつも無口のつぐみどり
わかきそなたはつぐみどり
われひとりのみに
もの思はせて
いまごろはやすみいりしか
夜夜冷えまさり啼くむしは
わが身のあたり水を噴く
ああ その水さへも凍りて
ふたつに割れし石の音
あをあをと磧のあなたに起る
幾日逢はぬかしらねど
なんといふ恋ひしさぞ
室生犀星
「抒情小曲集」所収
1918