さあ務めを果たそう
ここで一日を始めよう
台所のテーブルの上では
磨かれた皿が
乗せるものを待っている
「運命というものは最後は
磨かれた皿の上に乗るんだよ」
何万という群れの中の一ぴき
一ぴきの青い魚の不運を
乗せる皿
花の絵でかざられているその皿を
磨いたのはだれですか?
もう死んでいて キナキナと光る魚
それを料理したのはだれですか?
魚の皿を囲み
みんなでおいしく食べた
きれいにすっかり食べた
不運まですっかりと食べてしまった
さあ務めを果たそう
ここで一日を終らせよう
よごれた皿を洗うのは
だれですか?
山崎るり子
「だいどころ」所収
2000
「皿と魚」は山崎さんの許可をいただいた上で掲載しております。
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