一人が淋しい、
いやだ。
三人行くと、
二人の談話はよくあふが
やはり一人が淋しい、
いやだ。
そんなら五人はどうだ、
手を握る二組ができて
一人が残される。
その一人が淋しい、
無限に。───
七人、九人、十一人と、
奇数は無限にさびしい一人を生む
母の影だ。
一人が淋しい、
いやだ。
山村暮鳥
山村暮鳥全集「拾遺詩篇」所収
1924
一人が淋しい、
いやだ。
三人行くと、
二人の談話はよくあふが
やはり一人が淋しい、
いやだ。
そんなら五人はどうだ、
手を握る二組ができて
一人が残される。
その一人が淋しい、
無限に。───
七人、九人、十一人と、
奇数は無限にさびしい一人を生む
母の影だ。
一人が淋しい、
いやだ。
山村暮鳥
山村暮鳥全集「拾遺詩篇」所収
1924
三人はひとりがさびしい思いをすることがありますけれど、五人、七人、…となると、そうでもないと思うんですが。頭でつくった詩の典型ですね。