He said:
“In the winter dusk
When the pavements were gleaming with rain,
I walked thru a dingy street
Hurried, harassed,
Thinking of all my problems that never are solved.
Suddenly out of the mist, a flaring gas-jet
Shone from a huddled shop.
I saw thru the bleary window
A mass of playthings:
False-faces hung on strings,
Valentines, paper and tinsel,
Tops of scarlet and green,
Candy, marbles, jacks—
A confusion of color
Pathetically gaudy and cheap.
All of my boyhood
Rushed back.
Once more these things were treasures
Wildly desired.
With covetous eyes I looked again at the marbles,
The precious agates, the pee-wees, the chinies—
Then I passed on.
In the winter dusk,
The pavements were gleaming with rain;
There in the lighted window
I left my boyhood.”
Sara Teasdale
From “Rivers to the Sea”
1915
試みに翻訳してみました!
輝くウィンドウ
彼は語った
「ある冬の夕暮れのことだ
舗道は雨に濡れ鈍く光っていて
僕は煤けた通りを歩いていた
急ぎ足で、疲れきっていて
とても解決する見込みの無いあらゆる問題を考え続けていた。
ふと気づくと、霧の中に、揺らめくガス灯の光が
縮こまったような店に輝いていた。
僕は見た。くもったウィンドウの中に
たくさんのおもちゃを。
糸につるされた仮面
バレンタインの切り紙や金モール
赤や緑の王冠
キャンディー、ビー玉、ジャックストーン──
色彩の氾濫
哀れなほどにけばけばしく安っぽい。
僕の少年時代の全てが
奔流のようによみがえる。
再びこのがらくたが宝物のように思えて
僕は激しく欲しくなった。
熱望に潤んだ目で僕はもう一度ビー玉を見た
高貴なる玻璃玉、小人、中国人の人形──
そして僕は歩き出した
冬の夕暮れの中
舗道は雨にぬれて鈍く光っていた
輝くウィンドウの中に
僕は自分の少年時代を置いていったんだ。」
既に管理人さんの訳がありましたが折角なので拙訳を書いてみます。
jacksについては管理人さんの訳で知りました。
suddled shop について、店自体が小さいのか、中のディスプレイがごちゃごちゃしているのか、どちらかというと後者かと思い、「小間物屋」としてみました。
明るい窓
彼は語る。
「冬の日暮れ、
道の敷石が雨でうっすら光を帯びるころ
抱えこんだどうしようもないことごとに
いらいらと苛まれながら
煤けた通りを抜けてゆくと
霧の向こうからふいに、ガスの揺れる火が
小間物屋の方から射してきた。
汚れた窓から覗きこむと
そこにあるのはおもちゃばかりだった――
紐につなげられた仮面、
ヴァレンタイン・カード、紙にモール、
赤と緑の王冠、
キャンディ、ビー玉、ジャックス――
哀れでどぎつい、安っぽいごたまぜの色彩が
子ども時代の記憶を呼びさます。
みんな、狂おしく求めた宝物ばかりだった。
羨望の眼差しで見つめたビー玉を今再び見れば
貴き瑪瑙よ、小人よ、麻薬中毒者たちよ―ー
そして私は通り過ぎた。
冬の日暮れ
道の敷石は雨でうっすら光を帯びていた。
私は自分の子ども時代を捨ててしまったのだ
あの明るい窓の中に。」
素晴らしい訳をありがとうございます。
この詩は訳していて、とても気分がいい詩でした。
鮮烈なイメージと幼年時代への憧憬が融合していますね。
the chiniesの訳は麻薬中毒者でよかったでしょうか?
私も悩んで、中国人形としたのですが。自信ないです。
こんにちは。Twitterから来ました。
翻訳に挑戦してみました。
明りの灯った窓
彼はこう言った
「冬の夕暮れ
歩道の敷石は雨に光り
俺は小汚い路地を歩いていた
急ぎ、いら立ち、
いつまでも解決しない悩みで頭がいっぱいだ
突然、霧の中でガス灯がともる
せせこましい店の中から明りがこぼれる
くもった窓ガラスの中に
沢山のおもちゃがみえる
糸で吊るされたお面
色紙と金モールで作ったバレンタインカード
深紅と緑の独楽
キャンディ、ビー玉、ジャックス —
無秩序な色の洪水
哀しいくらい派手で安っぽい
子ども時代の思い出が
あふれるようによみがえる
もう一度、こんながらくたが
どうしても欲しい宝物になる
物欲しげな目でもう一度ビー玉を見る
貴重なメノウ玉、小さい玉、中くらいの玉 —
そして俺は立ち去る
冬の夕暮れ
歩道の敷石は雨に光り
明りの灯った窓の中に
俺は子ども時代を置いてきた」
かなり意訳ですいません。
管理人さんとgolden_wheatさんの訳を参考にさせていただきました。
the pee-wees, the chinies は意味が分からず散々悩みました。
google先生に聞きまくってみたら、どうもビー玉のサイズのようです。
the chineseは「chinese checkers」というボードゲームに使うサイズ(14mm位らしい)のことかと想像しました。
pee-weeはそれより「ちっちゃいやつ」(12mmくらい)ではないかと。
確証はありません。
Twitter見て挑戦しました。
—
[灯りの点った窓]
それは、彼のものがたり:
冬の夕暮れ
歩道は雨に濡れ
僕はひとり薄暗い路地を歩いていた。
とても急いでいた。そして、ひどく疲れていたんだ。
だって、いくつもの大きな問題を抱え込んでいたから。
そのとき、霧の向こうにガス灯が点り
小さな店があることに気付いた。
埃にくすんだウインドウを覗くと、
沢山のおもちゃ。
壁に吊るされた沢山のお面やら、
綺麗に包まれたバレンタインの贈り物
赤や緑の道化の衣装に、
キャンディー、ビー玉、そしておて玉
いろんな色に溢れていて、
どれもこれもケバケバしくて、
子供っぽい
でも、そのときに、
僕の中に男の子が蘇った。
すると、どれもこれもが宝物に思えて、
どれもこれも抱き締めたくて、
羨ましそうにビー玉を見つめて、
ピカピカの瑪瑙を見つめて、小さな妖精に異国の人々…
でも、もう行かなくちゃ。
冬の夕暮れ
歩道は雨に濡れ
でも、そこには灯りの点った窓があり、
子供のころの僕がそこにいた。
—
詩の訳として成り立っているかわかりませんが、
僕にはそう読めた、
と訳してみました。