われらぞやがて泯ぶべき

われらぞやがて泯ぶべき

そは身うちやみ あるは身弱く

また 頑きことになれざりければなり

さあらば 友よ

誰か未来にこを償え

いまこをあざけりさげすむとも

われは泯ぶるその日まで

たゞその日まで

鳥のごとくに歌はん哉

鳥のごとくに歌はんかな

身弱きもの

意久地なきもの

あるひはすでに傷つけるもの

そのひとなべて

こゝに集へ

われらともに歌ひて泯びなんを

 

宮沢賢治

補遺詩篇」所収

1933

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