第2回目の「詩集の美」シリーズ、前回の小林坩堝さんの「でらしね」に続き、今回は宮岡絵美さんの「境界の向こう」を紹介いたします。
2015年10月に刊行された「境界の向こう」は宮岡さんの三年ぶり2冊目の詩集になります。
銀の線が真っすぐに引かれたシンプルで美しい装丁です。装丁を担当されたのは思潮社装幀室。
カバーを外すと一見ノートのような真っ白な姿。
しかし、よく見るとタイトルが背表紙に型押しされています。おしゃれですね。
宮岡絵美さんは大阪枚方市在住で京都工芸繊維大学の応用生物学科出身でらっしゃいます。
この詩集にも理系の感性が存分に盛り込まれています。
我々が科学の深遠に向かい合うときに感じるセンスオブワンダーと詩情が一つに融合されたと言ったらよいのでしょうか?
今までにないタイプの詩だと思います。
帯文で宮地尚子さんが 「太陽系のなかのひとりの子ども」が透明なことばを生み出した。 と書いてらっしゃいますが、正にこの詩集の本質をついている言葉だと思いました。
当サイトではこの詩集から「境界の向こう」を紹介させていただいています。
宮地尚子さんは文化精神医学を専門にされている精神科医です。
アマゾンのリンクはこちら。思潮社刊行で税別2200円です。